ベルリン郊外にあるミース・ファン・デル・ローエによるドイツでの最後の作品「レムケ邸」。
ベルリンに到着した次の日バスでベルリン市内のバウハウス関連スポットを見学。
最初に訪れたのは、ベルリンの郊外にある近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエが設計した住宅。
ミースのドイツで最後となる作品「レムケ邸」
煉瓦造りの平屋のこの建築は、バウハウス三代目の校長でもあったミースが手掛けた「レムケ邸」。
バウハウスがナチスドイツの圧政によりその幕を閉じた後、アメリカに亡命したミースにとってドイツで手掛けた最後の作品となる。
そもそもアメリカ・シカゴ近郊にある「ファンズワース邸」やチェコ・ブルノにある「トゥーゲンハット邸」など数えるほどしか住宅を手掛けていないミースの珍しい住宅作品でもある。
コートハウス上に大きな庭に対して開いた住宅は、ミースらしくない煉瓦造りでそれほど大きくはないけれど、ミニマルで周囲からも際立つ佇まい。
庭を囲うようにポツンとある配置計画も建築と敷地の良い関係性を築いている。
庭やテラスと一体になるような建築
ギャラリーのようにシンプルな矩形の部屋は、庭に向かって大きく開口が開いている。
すごく違和感のある真ん中のポールは、バウハウス100周年を記念した企画展の一環でポールダンス用のポールが展示されていた。
パイプを使った椅子のオマージュらしいが、なんでやねん!!
テラスとは段差なくフラットに続いていてより広く開放的に感じる。
建具も当時としてはバウハウス的で先進的なインダストリアルなデザイン。
そのままテラスや庭に出ることができる。
コートハウスになっているので同じ建築から建築を見られるのはいい感じ。
中央の樹木もアクセントになっている。
庭とその向こうの湖まで見渡せて、彫刻も配置してこれ自体が庭園的な美術館みたい。
それほど高くない天井だけど、庭に意識が向く空間作りで圧迫感を感じない。
建築と周辺環境の良い関係性が空間以上の広さを感じる。
純粋にミニマルな建築を目指したミースのイメージとは違って、「ファンズワース邸」とも同様に緑豊かな環境に溶け込み相乗効果的に建築化させているように思えた。
ベッドルームもコンパクトだけれど、程よいスケール。
ミース・ファン・デル・ローエによるミニマルな住宅「レムケ邸」は、建築の理念を重視するミースのイメージを覆す、環境と相互的に干渉する美しい住宅だった。
数少ないミースの住宅作品の一つなのでバウハウスやミースファンは是非とも訪れるべき建築だと思った。
Lemke House / Mies van der Rohe Haus – レムケ邸・ミース・ファン・デル・ローエの家
開館時間:11:00~17:00
休館日:月曜日
入館料:無料
URL : https://www.miesvanderrohehaus.de
住所:Oberseestraße 60, 13053 Berlin, Germany
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