世界遺産でもありオーストラリアのシンボル。ヨーン・ウツソンが手掛けた「シドニー・オペラ・ハウス」
オーストラリア・シドニーに到着して「シドニー・フィッシュ・マーケット」でランチした後、宿泊場所にチェックイン。
シャワーを浴びて準備してシドニーを訪れる目的でもある、あの「シドニー・オペラ・ハウス」に向かう。
メトロでオペラハウスの最寄駅のサーキュラー・キー駅へ向かう。
駅に着くと湾に突き出たオペラハウスが見えたけど、妙に暗いし曇ってる…
どうやらシドニー周辺で発生している山火事の灰が都市部にも降り注いでしまっているらしい。
世界遺産でもありオーストラリア・シドニーのシンボル「シドニー・オペラ・ハウス」
見学ツアーまで時間があったのでオペラハウスとハーバーブリッジを同時に眺められるスポットへ行ってみた。
山火事で曇っているのですごく不明瞭…
ホントなら青空に白い帆のような建築が映えていたに違いない…
デンマークの建築家ヨーン・ウツソンが手掛けた世界で最も建造年代が新しい世界遺産
国際設計コンペで選ばれたのは当時まだ無名だったデンマークの建築家ヨーン・ウツソンで、一次選考で落選した案を審査委員だったエーロ・サーリネンが強く支持したらしい。
ヨーン・ウツソンと言えば、9月に訪れたデンマーク・コペンハーゲン郊外の「バウスヴェア教会」が印象的だった。
船の帆や貝殻のような有機的な形状のウツソンのアイディアは、実現が非常に困難で構造的な問題や資金的な問題で建設費も跳ね上がり、工事も大幅に遅れて約14年の歳月をかけて1973年に完成した。
最終的にシェル状の構造を実現したのは、世界中で著名な建築の構造設計を手掛けたアラップによるもの。
当初予算の14倍もかかって完成したシドニー・オペラハウスは、世界で最も建造年代が新しい世界遺産でもある。
予算の肥大化と工期の長期化でウツソン自身は、完成した姿を見ることもなく、ユネスコ世界遺産登録の式典を欠席した。
湾の先に連なる様々な大きさのシェルは、現代的なデザインではあるけれど、古くからここに存在していたかのような印象で美しい。
建築を超えた構造物や地形のような感じがあるし、独特のリズム感が音楽のようにも感じられるし、精神的にもシンボルになっている気がする。
ヨットの真っ白い帆のイメージがあったシェルは、少し茶色がかっているのは汚れではなく、本来の色で青空のときに白く見えるようになっている。
見学ツアーが開始されるビジターセンターは地下にあるけど、オペラハウスの土台になっている部分も周辺のランドマークと一体になっているようですごく開放的。
温暖な気候のシドニーにはすごく合致しているように思う。
コンサートなどのチケット売り場やお土産屋などが集まる1階もRCの構造を活かしたデザインで案外かっこいい。
オペラハウスの内部を見学
日本語のガイドツアーもあったので、それに参加したらたった3人のグループでマイペースで見学できた。
帆のようなシェルの中に入ると安心感があるし、内側の面を見るとダイナミックさも感じる。
ホワイエに当たる空間は、囲まれている安心感もあるけど、同時に隙間から外の風景や隣のシェルを眺められて独特の開放感もある。
緩やかなカーブを描くシェルの内側は放射状の梁が伸びていてかっこいい。
工事が土台を建設する第一段階、シェルの構造物を建設する第二段階、劇場機能やインテリアを作る第三段階に別れていたように、別々の要素として明確にデザインされている。
だからこそ第二段階で建設されたシェルが強調されているように思えるし、ヒエラルキーが明快だからこその建築の力がある気がした。
軽快なカーテンウォールは、外部と境界が曖昧になるような印象を持たせてくれる。
土台となるようなスラブは、外部と一帯になっているし、シェルを地形に乗せているようにも感じる。
半島の先端にある開放的なホワイエは船の甲板のように思える気持ちいい空間になっていた。
これを観るためにシドニーに来たと言っても過言ではない「シドニー・オペラハウス」は、ヨーン・ウツソンによる造形がずっとそこに存在しているような美しさがあってやはりすごくおもしろかった。
その造形を活かした建築の明快さも訪れた人しかわからない要素だと思う。
山火事の影響で写真で見るような真っ白いオペラハウスを見られなかったことは残念だったが、その建築を超えた凄さは十分に感じられた。
Sydney Opera House – シドニー・オペラハウス
URL : https://www.sydneyoperahouse.com
住所:Bennelong Point, Sydney NSW 2000, Australia
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