アルヴァロ・シザ設計で自身が教授も務める「ポルト大学建築学部棟」は白さが美しい建築だった。
「カーサ・ダ・ムジカ」と「ボウサ・ハウジング」を観てポルトガル・ポルト初日が終わった。
幸先良いスタートと思って朝起きたら曇ってるがな…
とはいうものの、次の日はポルトからリスボンに移動する予定だったので、この日しかまともに観て回れないので、仕方なく出掛けた。
アルヴァロ・シザ設計で自身が教授も務める「ポルト大学建築学部棟」
そんな感じで向かったのは、アルヴァロ・シザの設計で、シザ自身が教授も務める「ポルト大学建築学部棟」だ。
いくつかの白いヴォリュームが間隔を空けて建ち並んでいた。
それぞれ大胆な開口部があり、通り沿いは矩形で、中庭を挟んで奥側には不定形なヴォリュームの棟になっている。
それぞれ分かれているが、中で繋がっているところもあり、非常に複雑な構成になっている。
敷地自体も高低差があって、その高低差も利用しながら建築が配置されている。
外からもアクセスしやすい食堂は、大勢の学生で賑わっていた。
多様性のある模型のように白い内部空間
どの棟から入っていいのかわからなかったが、奥の不定形なヴォリュームの棟に事務室などがあった。
事務室の職員に内部を観ていいか尋ねると「スタジオなど以外はご自由にどうぞ」とのことだった。
事務室の前には、シザの建築本などを販売しているショップがあった。
下の階には講義室とロッカー付きの廊下があった。
このスロープはあまりにも有名だろう。
外から見える斜めの窓はこのスロープに合わせて設置されている。
この日は学生の課題の作品が展示されていた。
窓から見える風景も内部空間も素晴らしい。
奥に進むと半円形の空間があり、おそらく展示スペースとして使われいてるのだろう。
その空間の外側は半円形に沿ってスロープが設置されている。
上階に進むと製図室のようなスタジオなどがあり、ハイサイドライトが設置され明るい空間になっていた。
唐突に思える場所に開いた開口からは綺麗に光が入って、白模型で作った空間のように白さが美しく映える。
V字のトップライトが空間を規定する図書室
この図書室もシザの建築の写真としてよく観られる空間だ。
V時のトップライトが空間に光を取り入れながら、左右に空間を柔らかく分割している。
全体としては大きな空間だが、人間のスケール感に合わせて非常に落ち着いた空間になっている。
ポルト大学建築学部棟は、複雑な構成やスロープなどの使い方、開口部の開け方など見どころがいっぱいあって、予想以上におもしろい建築だった。
アルヴァロ・シザらしく、白い空間に光を取り入れて豊かな空間になる、非常にオーソドックスな手法がここまで高度に表現されることも珍しいだろう。
あまり本などでは感じ取ることができなかったアルヴァロ・シザの建築の良さが非常にわかる建築だったと思う。
U. P. Faculdade de Arquitectura – ポルト大学建築学部棟
電話:+351 22 605 7100
URL : http://www.fa.up.pt/
住所:Via Panorâmica Edgar Cardoso 215, 4150-564 Porto, Portugal
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