ポルトにあるレム・コールハース率いるOMAが手掛けた音楽ホール「カーサ・ダ・ムジカ」を再訪。
スペイン北西部、ガリシア地方の街「ア・コルーニャ」を訪れた次の日、長距離バスで向かったのはポルトガル第二の街、ポルト。
3年半前にもアルヴァロ・シザの建築を観るために訪れた街だ。
前回は雨で全然回ることができなかったので、リベンジしに来のだけど、たまたまエクスペディアで予約した宿泊場所がカーサ・ダ・ムジカの近くだったので、カーサ・ダ・ムジカももう一度観てみることにした。
前回訪れた時の記事はこちら。
巨大な岩のような建築の音楽ホール「カーサ・ダ・ムジカ」
前も書いたけど、ボアヴィスタ通りのロータリーの公園を取り囲む一角の敷地にあるカーサ・ダ・ムジカは、レム・コールハース率いるOMAが国際コンペで勝利して、2005年に建てられた。
この時のコンペはポルト出身の建築家であるアルヴァロ・シザが審査員だった。
巨大な岩が地面に置いてあるようなイメージで迫力がある。
ポルトがEU文化首都就任を記念して作られたカーサ・ダ・ムジカは、ポルトガルで初めての本格的な音楽ホールとして設置された。
前回訪れた時は雨でこの白いコンクリートの外壁が空と同化してしまっていたが、青空だと空と対比的になって映えるのでかっこいい。
立体的な空間構成が大迫力
今回もたまたま行った時間に見学ツアーがあったので、英語のツアーに参加してみた。
他にもポルトガル語やスペイン語のツアーがある。
斜めの壁が訪れる人を誘い込む通路がおもしろい。
2階の大階段からは、外観で見る外形のまま立ち上がっている立体的な空間構成を見ることができる。
非常にダイナミックで、この建築の巨大さや迫力が一番わかる場所でもある。
大迫力のメインホール
大階段を登っていくとメインホールのホワイエに。
メインホールのホワイエだけあって、インテリアを変えてラグジュアリーな雰囲気になっている。
今回は、前回は見学することができなかったメインホールにも立ち入ることができた。
建築を対角線上に貫く巨大なメインホールは非常に迫力があり、インテリアや照明のお陰で非常に色気がある空間になっている。
両脇には他のスペースとガラスで隔てた場所があり、そこからメインホールの様子を伺うことができるようになっている。
ステージ裏と客席裏には大きな開口部があるが、建てられた当初はここにガラスが入っておらず、その状態でこけら落としのコンサートが開かれたのだとか。
座りやすい座席は前後にスライドする座面でスペースを有効活用していた。
ユニークな諸室
カーサ・ダ・ムジカは、ホワイエやメインホールなどハイライトになる空間だけでなく、様々な諸室が非常にユニークにデザインされている。
ここはサブホールでコンサートやライブの他、大きめなパーティなどが開催される。
ここは、ホワイエ脇にあるコンサートやライブを待つ間にドリンクを飲んだりできるバースペース。
メインホールの両脇には、小さいイベントを開催するスペースが配置されている。
今回気づいたのだが、こういったユニークなタイルはポルトガル独特の文化で、一般の住宅のファサードにも使われている。
人の動きを感知してBGMが変わるサウンドスケープになっている最も奥に位置するスペース。
一通り見学し、裏側から階段を降りていく。
せっかくなのカフェで1杯だけコーヒーを飲んで帰ることにした。
何故か南部鉄器が使われていた。
ちなみにメトロのカーサ・ダ・ムジカの駅は、もともとアルヴァロ・シザの元で働いていたエドゥアルド・ソウト・デ・モウラのデザイン。
今回2回目のカーサ・ダ・ムジカの見学だったが、晴れていたし、メインホールも観ることができたので前回よりも充実した見学になって非常に良かった。
ユニークで結果的に合理的だった外観の他に、ダイアグラムをそのまま建築にしてしまうレム・コールハースの手法とパッチワークのように空間を組み合わせるOMAらしさがやはりおもしろい。
Casa da Musica – カーサ・ダ・ムジカ
電話:+351 22 012 0220
URL : http://www.casadamusica.com
住所:Av. da Boavista 604-610, 4149-071 Porto, Portugal
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