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ヘルシンキにある「アアルト・アトリエ」は自然光が入る気持ちいい空間が広がっていた。

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アアルト大学からUBERでヘルシンキの住宅街を移動。

ムンキニエミという閑静な住宅街の中にあるのがアルヴァ・アアルトの自邸とアトリエ。

自邸とアトリエは徒歩で10分くらいだけ離れていて、予約の時間の関係で先にアトリエに到着した。

 

白くシンプルな外観の「アアルト・アトリエ」

「アアルト・アトリエ」は、とてもシンプルな外観で周囲に溶け込んでい他ので、場所を知っているはずのUBERの運転手も通り過ぎてしまった。

白い外観が綺麗に保たれてはいるけれど、道路側から見ると閉鎖的な建築のようにも思えた。

アアルトは、もともと自邸の脇に事務所を構えていたらしいが、大きなプロジェクトを獲得して手狭になったのでこの場所にアトリエを新設した。

見学ツアーまでまだ時間があったのでぐるっと外観を見て回った。

道路に面した壁以外は意外にも大きめな窓がいっぱい。

敷地の斜面を利用するように中庭があって、イタリアなどに見られるような円形劇場のような空間を作っている。

実際、この白い壁にプロジェクターで映画を写して鑑賞していたこともあったらしい。

見学ツアーの時間になったので、インターホンを鳴らして中に入れてもらった。

 

どことなく日本的な雰囲気や暖かみを感じる空間

中に入るなり「ようこそ大前さん!」とおしゃれなフィンランド人の女性が迎えてくれた。

そして窓口のスタッフさんは日本人で普通に日本語が通じてしまった。

どうやらよく日本人が見学に来るらしく、フィンランド人のスタッフさんも日本人スタッフの人と話すうちに簡単な日本語を覚えてしまったらしい。

この時からフィンランドってすごく日本人が過ごしやすい国なのでは!?と思えてきた。

この日のツアー参加者は中国人の女の子と自分の2人だけで、いつも10人いかないくらいなのでゆっくり見学できてラッキーだよ、と言われた。

ガイドツアーの最初に案内された現在ミュージアムショップとして使われているスペースは、木の温もりがある空間。

木を格子状に使っているデザインはどこか日本的な要素を感じる。

L字になった平面のアトリエと反対側のスペースは、食堂として使われていた。

台形のようになった平面は、アアルトらしく広がりを感じさせるように工夫しているから。

アルテックの家具が使われていて暖かみがあるインテリアだ。

格子状の木枠が施された棚の向こうはキッチンになっている。

 

ハイサイドライトから入る自然光が明るく照らす空間

階段を昇って2階に上がるとハイサイドライトから入る自然光が明るく照らすアトリエの空間が現れる。

片流れになっている天井が光を反射し、柔らかい雰囲気を作り出す。

アアルトの時代はCADもなく、手書きで図面を描いていた訳だからこのくらいの広さが必要だし、より明るい空間が必要だったのだろうと思う。

アトリエの奥の方は、現在も現存するアアルトの建築の修復などの図面を描くなど実際に使われているが、手前部分は当時をできるだけそのまま残している。

大きな窓からは周囲の緑が見えて気持ち良く働けそう。

アトリエスペースの隣には、ミーティングスペースが隣接していて、大量の資料が遺されている。

そして背後の斜め壁には、その上部のトップライトから入った自然光が反射しておもしろい雰囲気を作っている。

ここではもちろんクライアントが来ることもあったけれど、主に事務所内での打ち合わせが行われていたらしい。

 

自然光と局面の壁が作り出す気持ちがいい空間

L字になった中庭に面した空間は、主にクライアントなどが来客したときにミーティングするための空間で、アアルトの家具や照明、模型などがあってショールームのようなスペースとして使われていた。

実際、ハイライトのようなこの場所は、訪れた人をアアルトのファンにしてしまう魔力のある空間だった。

中庭を円形に見渡す連続窓は、少し低めに設置してあるのだけれど、座った時などにちょうど良い高さでより空間の広がりを感じさせてくれる。

 

アルヴァ・アアルト自身のための事務所である「アアルト・アトリエ」は、アアルトの建築の良さをより感じられる建築で、どのスペースも気持ち良い空間が広がっていた。

恐らくアアルト自身の実験的な取り組みを施した空間だと思うし、ここから今も遺るアアルトの建築が生まれていったと思うと感慨深いスポットだった。

Studio Aalto – アアルト・アトリエ

開館時間:11:30~12:30
休館日:月曜日
URL : https://www.alvaraalto.fi/en/location/studio-aalto/
住所:Tiilimäki 20, 00330 Helsinki, Finland

 

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