波打つ造形がおもしろい「ヘルシンキ中央図書館・オーディ」は居心地がよくて何時間でもいられそう。
スティーブン・ホールが手がけた「ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)」を訪れた後は、すぐ近くにある「ヘルシンキ中央図書館・オーディ」へ向かう。
フィンランドの人たちにとって、読書は日常の生活の一部で世界でも図書館利用率が高い国として知られる。
そんな読書と図書館の国の首都ヘルシンキに独立100周年を記念して2018年の12月5日にオープンしたのが「Oddi(オーディ)」と名付けられた図書館だ。
2018年12月にオープンした新名所「ヘルシンキ中央図書館・Oddi(オーディ)」
「ヘルシンキ中央図書館・オーディ」は、ヘルシンキを拠点に活動するALAアーキテクツによって設計され、波打つ造形がおもしろい建築。
ファサードは木を使って暖かい印象に仕上げつつ、3階部分は白い氷山のようにも見える。
ダイナミックな曲線がピロティのようになっていて、自然に人々を内部に誘い込む。
市民の交流のためのリビングルームがコンセプト
木の局面がそのまま連続する室内はガラス張りで明るくとても入りやすい雰囲気。
デザインコンセプトは市民の交流のためのリビングルームらしいのだけど、本当に街のリビングルームのような感じでコンセプトそのままを実現できている気がした。
勉強や仕事のためのワークショップスペース
1階や3階と違って自然光が入らない2階のスペースは、市民が自由に使える勉強や仕事に役立つワークショップスペースになっていた。
Wifiもサクサク動くし、3Dプリンタやスキャナー、大判プリンタなどモノづくりに必要な設備が揃っていた。
少人数でのワークショップやセミナーも行われていて、若い人だけでなく少し年齢が高い人も参加していた。
教育レベルが高いと言われているフィンランドらしい施設だと思った。
一日中居られるくらい居心地がいい図書館
3階に昇ると波打つ天井がフロア全体を包む図書館スペースがあって、ガラスのカーテンウォールから自然光が入るまるで公園のようなスペースになっている。
電源もwifiもあるからノマドには優しい。
本棚の高さも抑えられていて見通しが良いし、長居しやすい椅子や机、テーブルが備えられている。
何箇所かカフェもあってコーヒーや紅茶、軽食を取ることができる。
スラブもフラットな場所だけでなく、斜面になっている場所もそのままそこに座って過ごす人も多い。
色々なアクティビティが同時多発的に同じフロアで展開される様子はいるだけで心地よい。
図書館ではあるけれど、公園でもあり街のリビングでもあるような雰囲気があった。
アアルトのフィンランディアホールや目の前の公園を見渡す大きなテラスもあって、ここでコーヒーや紅茶を飲みながら過ごすのも良さそう。
Helsinki central library Oodi – ヘルシンキ中央図書館・オーディ
開館時間:8:00~22:00(土・日曜日10:00~20:00)
URL : https://www.oodihelsinki.fi
住所:Töölönlahdenkatu 4, 00100 Helsinki, Finland
現代的な音楽ホール「ヘルシンキ・ミュージックセンター」
オーディの向かい側には、2011年に開館した「ヘルシンキ・ミュージックセンター」がある。
裏にはアアルトが手掛けたフィンランディア・ホールがあるがより現代的な音楽ホールとして、フィンランドのトゥルクに拠点を置くLPR設計事務所のマルコ・キヴィストとオラ・ライホ、ミッコ・プルッキネンの3人によってデザインされた。
さすがにコンサートがないときはホワイエまでしか入れないが、メインホールはロサンゼルスにある「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」の音響も手掛けた永田音響設計の豊田泰久氏によるものだ。
オーディなどとは雰囲気が違うけれど、すごくかっこいい建築だった。
Helsinki Music Centre – ヘルシンキ・ミュージックセンター
開館時間:8:00~22:00(土・日曜日10:00~)
URL : https://www.musiikkitalo.fi
住所:Mannerheimintie 13 A, 00100 Helsinki, Finland
もちろん事前に新名所として調べた上で訪れた「ヘルシンキ中央図書館・オーディ」だったけれど、そのダイナミックなファサード以上に建築のおもしろさや図書館としての革新性があってすごくおもしろかった。
特に3階の図書館スペースは「せんだいメディア・テーク」にも通じるものがあって公共建築としてしっかりとデザインされていたと思う。
向かいの「ヘルシンキ・ミュージックセンター」と一緒にもう一度しっかり観たい建築だった。
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