サンティアゴ・カラトラバによるワールドトレードセンター駅「オキュラス」がかっこいい!
11年振りのニューヨークの「ワールドトレードセンター」を散策して、18年前の911同時多発テロ直後とは全く違う姿になっていたことを実感する。
そのワールドトレードセンターのエリアの中に一際目立つ白い建築がある。
構造とデザインの統合が綺麗なサンティアゴ・カラトラバによる建築
メモリアル・プール越しに見るとエヴァに出てくる使徒のようでもあるこの建築は、ワールドトレードセンター駅、正式名称が「ワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブ」。
スペイン・バレンシアの「芸術学園都市」やポルトガル・リスボンの「オリエンテ駅」、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロの「明日の博物館」などを手掛けた。スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバが手掛けたものだ。
巨大な鳥の骨の骨格のような構造とデザインの「オキュラス」
巨大な鳥が羽を広げた姿の骨格のような外観が周囲の高層ビル群の中で一際目を引く。
平面が楕円形の形をしているので「眼」という意味の「オキュラス」という愛称が付いている。
広角レンズで撮ってるのに全体が入んない。
この形状はどこまで構造的に効いているのだろう、と思ってしまうデザイン。
実際着工から竣工まで10年、総工費も計画案の2倍かかってしまって、建築費が約40億ドルと世界一高額な建築という不名誉な記録を作ってしまった。
「ワン・ワールドトレードセンター」のビルよりも高額になってしまって、どっちが本体だかわからない(笑)
世界一美しい駅
総工費も外観もびっくりだけれど、中に入るとその美しさにさらにびっくり。
「オキュラス」は、総工費が世界一でも世界一美しい駅と言っても良いくらい。
地上から入るこの階段の踊り場はみんなの撮影スポットでみんなインスタ映えの写真を狙っている。
柱とも梁とも言える連続するルーバー状の白い骨格は太さも均一ではなく生き物の骨のようですごく繊細さを感じる。
そして、天井からは自然光がルーバー状の白い骨格を通して柔らかく入ってくる。
多くの人が行き交うターミナル駅だけれども教会のような神聖さもある。
駅の中にはショッピングモールもあってここで買い物も済みそう。
デザインが凄いのはメインコンコースだけでなくて、この駅のどの場所も有機的にデザインされていた。
ニュージャージーから来る列車の乗り場に向かうウエストコンコースもこの独特なデザインが連続している。
実はワールドトレードセンター駅「オキュラス」は、訪れるのがワン・ワールドトレードセンターよりも楽しみだった。
サンティアゴ・カラトラバらしい生物の骨格のような造形の構造とデザインは、ニューヨークに置いても一際輝くデザインだと思った。
他のカラトラバによる建築も素晴らしいけれど、「オキュラス」は総工費もすごいこともあって、完成度のすごく高い建築だとも言える。
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