ミース・ファン・デル・ローエによるイリノイ工科大学「クラウンホール」の大空間がすごい!
レム・コールハースとOMAによるイリノイ工科大学「スチューデントセンター」を見た後は、同じイリノイ工科大学内にある「クラウンホール」に向かう。
もともと「クラウンホール」の方がメインだったのだけど、キャンパス内を歩くとおもしろい建築がいっぱいあるので、ここまで来るのに寄り道いっぱいしてしまった。
そもそもイリノイ工科大学はミース・ファン・デル・ローエが建築学科の主任教授を務めたこともあって、ミースの建築がいっぱいある。
ミースの傑作と言われるイリノイ工科大学「クラウンホール」
キャンパス内の標識に従ってたどり着いた「クラウンホール」は、見るからにミースの作品とわかる。
数あるミースの作品の中でも「ファンズワース邸」や「レイクショア・ドライブ・アパートメント」などとともに傑作と言われる建築だ。
ファサードは、黒く塗られた鉄骨とガラスのみで構成されていて、すごくミニマルなデザイン。
ミースの建築らしくトラバーチンの床だけが素材感がある。
柱のない圧巻の大空間
このクラウンホールはいつもオープンになっていて、訪れたときは建築学科の学生の作品を展示が行われていた。
中に入ると設備コアになっているだろう2つの柱以外には何もない圧巻の大空間が待っている。
広くて天井も高い大空間を可動間仕切りで分節する「ユニバーサルスペース」的な空間を実感できる。
シカゴ市内のオフィスビルはほとんど中に入ることができないので、ユニバーサルスペースを体験できる数少ない建築でもある。
S. R. Crown Hall – イリノイ工科大学クラウンホール
開館時間:8:00~18:00(土・日曜日9:00~15:00)
URL : http://arch.iit.edu/about/sr-crown-hall
住所:3360 S State St, Chicago, IL 60616 USA
量産されるミースの建築
イリノイ工科大学のキャンパス内を歩くと他にもミースの作品を簡単に見つけることができる。
そしてどれもがクラウンホールのコピーと言うか量産した建築になっていて、ミースが誰にでも作ることができる空間を目指していたことがわかる。
空間もフレキシブルなら建築も量産可能にすると言う概念を提唱したミースの理想が実現されていた気がする。
イリノイ工科大学「クラウンホール」は、現在も日常的に学生たちによって使われていることもあり、ミース・ファン・デル・ローエの理想の建築を体現できる建築だ。
シカゴのダウンタウンのミースの建築と合わせて見ることで建築自体の美しさとミースの唱えた「ユニバーサルスペース」の概念も実感できると思う。
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