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上を電車が掠めるレム・コールハースとOMAによるイリノイ工科大学「スチューデントセンター」

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ミース・ファン・デル・ローエの「ファンズワース邸」やダウンタウンの建築を観て回った次の日は、シカゴのダウンタウンの南側にあるイリノイ工科大学へ向かった。

イリノイ工科大学にもミースの建築など色々な建築があるのでまとめて巡ろうと思っていた。

駅に到着する前に短いトンネルを通過。

実はこれもイリノイ工科大学の施設の一つ。

左に見えるのはヘルムート・ヤーンによる建築。

 

レム・コールハース率いるOMAによる「スチューデントセンター」

駅から歩いて5分ほど、建築の上を電車が通過する驚きの建築が「スチューデントセンター」というイリノイ工科大学の施設。

レム・コールハース率いるOMAによるデザイン。

線路の下に入るとピロティと言うよりもやはり高架下って感じがする。

線路が通るところがくぼんで屋根が大きなVの字になっている。

外観は典範とFRPグレーチング、そしてガラスのみだけれど、どこかミースの建築のようなイメージがある。

 

連続する多彩な内部空間

中に入るとレム・コールハースらしいパッチワークのように色々な空間がつながる空間が広がっている。

中央の上部に線路が走っている部分は半地下にして天井高を確保。

その上で線路で分割されることが多い敷地をつなげる役割も持っている。

床や壁、天井のマテリアルも様々でこの天井はボードを貼ってパテで目地を潰しただけ。

斜めに空間が交差したり、外部の緑を取り込んだりと歩き回ると色々なスペースがあって楽しい。

しかも角度の緩やかな階段やスロープで動線が緩やかになるように設計されている。

地下になっている食堂だけれども大きな窓で外部と接しているので明るい。

そして全部セブンチェアなので欲しい(笑)

1階と地下のみだけれど平面的にも空間が複雑に交差するため、立体的な空間も自然に意識されるようになっている。

 

線路が収められたチューブが表出する空間

線路が収められたチューブが内部空間にも表出してくきて、より色々な素材が組み込んであるように見えるのですごくダイナミック。

こうして見ていると水平垂直だけのミースの「ユニバーサルスペース」と言う概念に対して、斜めのラインやこうした線路のチューブなど異質な物を組み合わせることでアンチテーゼ的な表現にしたり、ユニバーサルスペースを超えるようなデザインを目指していた気もする。

この建築に限らずだが、OMAの建築は流行りのインダストリアルなインテリアデザインよりも、工業用のマテリアルをそのまま用いてよりリアルなインダストリアルなデザインになっていることもおもしろい。

 

レム・コールハースとOMAによるイリノイ工科大学の「スチューデントセンター」は、上を電車と線路がかすめる衝撃の建築であることはもちろんだけれど、内部空間の多彩さ、豊かさはすごくおもしろかった。

イリノイ工科大学内は自由に見て回れることもあるし、ミースの「クラウンホール」などと一緒にこの「スチューデントセンター」を訪れて見て欲しい。

McCormick Tribune Campus Center – スチューデントセンター

開館時間:8:00~24:00
URL : https://web.iit.edu/event-services/meeting-spaces/mccormick-tribune-campus-center
住所:McCormick Tribune Campus Center, 3201 S State St, Chicago, IL 60616 USA

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2019-06-27 | Posted in 建築・都市, アメリカ |キーワード : No Comments »  | 2,127 views

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