リオ・デ・ジャネイロ近郊にあるオスカー・ニーマイヤーの自邸「カノアスの邸宅」を訪問。
リオ・デ・ジャネイロ滞在中は毎朝コパカバーナビーチに散歩しに行って、カイピリーニャかフルーツジュースを飲む毎日。
この日もビーチに行ってゆっくりして宿に戻ってから、リオの郊外にあるオスカー・ニーマイヤーの自邸「カノアスの邸宅」へUBERを呼んで出発。
治安悪い地域の近くだし安全第一なので…
まさかの閉館中
UBERで現地に到着し、降ろしてもらって正面の門に行くとショックなことにどうやら閉館中のようだ…
せっかくここまで来たのに、事前の情報でも閉まっているとの情報はどこにもなかったのに、と悔しがりながら周囲を歩いてみた。
すると…
中で掃除をしている人がいる!
大声で呼び掛けると裏口みたいな扉を開けてくれた。
英語で「中観たいんだけど」と言うと多分ポルトガル語しかわからないから通じてないけど、笑って中に入れてくれた!
改修中だけど、掃除のおじちゃんがいる間にちょっとだけ見せてもらうことができた。
オスカー・ニーマイヤーの自邸「カノアスの邸宅」
リオ郊外の緑豊かな丘の中腹にある通称「カノアスの邸宅」は、オスカー・ニーマイヤーの自邸としてニーマイヤー自身によってデザインされた住宅建築だ。
森の中に静かに佇むようにして建っている。
庭には緑に溶け込むように彫刻が配置されている。
ニーマイヤーの好きな造形の女性的な曲線を用いた彫刻が目立つ。
荒野に建つようなブラジリアの建築群と違って、森に溶け込むような建築で、樹々や岩などをそのまま住宅に取り込んだようなデザインになっている。
残念ながらプールに水が張られてなかったけれど、プールか岩、岩から住宅の室内、さらに森とニーマイヤーの曲線による造形で有機的につながっている。
そこにもともとあったであろう岩がそのまま使われていて、非常にダイナミック。
柱が岩から生えている。
イェーロ・サーリネンのチューリップチェアとテーブルが置かれたスペースも森と一体化しているようでいい感じに見える。
反対側のテラスに回ってもわかるように森の中に曲線で造形された屋根をかけたような、建築の存在を最小限にしたように感じる佇まいだ。
外部空間と一体化するような建築
中に入ってもプール側とテラス側は全面ガラス張りで稼働するサッシのため、開け放つと外部空間と一体化したようになる。
キッチンとも最小限の間仕切りで建築要素が少ない。
残念ながら改修中なので家具にはカバーがされたまま。
プール脇の岩は室内にまで入り込み、それそのまま使っているので、ここが建築の内部と言うことにいい意味で違和感を感じる。
内部も外部もシームレスにつながり、どこまでが建築なのか森なのか曖昧だ。
壁もニーマイヤーらしい曲線で、外部と分けたい場所は素材や色が異なっている。
地下スペースが魅力的
残念ながら絶賛改修中で写真撮影禁止だった地下のスペースが凄く良かった。
丘の斜面に埋まるように地形を活かしているだろうことがよくわかる。
もちろんほとんどがシート被ったままだったけれど、空間の豊かさが伝わってきた。
ここまでブラジリアやリオ・デ・ジャネイロにあるオスカー・ニーマイヤーの建築観てきたけれど、オスカー・ニーマイヤーの自邸である「カノアスの邸宅」は全く違う体験だったように思う。
ブラジリアの建築群はインテリアまで踏み込んでいないのに対して、カノアスの邸宅が外部環境から建築、インテリアと有機的にデザインされている気がした。
また、ニテロイ現代美術館のようにうまく地形を活かして建築を際立たせるのでもなく、建築と地形が一体化したような感じで凄く印象的だった。
個人的には意外にもSANAAの建築に似ている気がした。
掃除のおっちゃんありがとう!!
Casa de Canoas Oscar Niemeyer – カノアスの邸宅
開館時間:10:00~16:00
入館料:R$20
URL : http://www.niemeyer.org.br/fundacao/locais/casa-das-canoas
住所:Estrada da Canoa, 2310 – São Conrado, Rio de Janeiro – RJ, Brasil
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