スイス・ベルンにあるレンゾ・ピアノ設計の「パウル・クレー・センター」がユニーク。
ミラノデザインウィークはまだ後半戦を残しながらもバスでスイスの首都ベルンを訪問。
ル・コルビュジエの「レマン湖畔の小さな家」に行くためなんだけど、ミラノから行くと開館時間内に辿り着けないのでベルンで2泊。
到着してからわかったけど、レンゾ・ピアノによる設計の「パウル・クレー・センター」という美術館があって、良さげなので立ち寄って見ることにした。
画家パウル・クレーの作品を展示するレンゾ・ピアノ設計の美術館「パウル・クレー・センター」
バスの12番の終点が「パウル・クレー・センター」でベルンの街を見下ろす丘の上に建っている。
ランドスケープと一体化するようなパウル・クレー・センターは、その名の通り画家パウル・クレーの作品を展示する美術館で、レンゾ・ピアノが設計した建築だ。
波打つような柱とも梁とも言える構造が3つの丘を作り出し、パウル・クレーがリスペクトしていたアートと自然の関係性が表現されている。
地上と地下の2層の建築で、丘の間の谷になった部分から入館する。
構造にヒエラルキーを持たせず、全て等価に扱って軽やかな建築にするデザインはいかにもレンゾ・ピアノらしい。
開放的なアトリウム
軽やかなのは内部空間も一緒で、正面ファサードに面するアトリウムの空間はとても開放的。
レンゾ・ピアノの他の建築と同じように、細い部材を連続させて大きな建築でも主構造になるものを目立たせないようにデザインされている。
柱のない大きくてフレキシブルな展示空間
展示空間に入るとカーブを描いた天井が柔らかい印象を与えてくれた。
波状の屋根は柱のない大きな空間を作り出し、稼働間仕切りによりフレキシブルな展示室になっている。
展示している作品は、パウル・クレーのものはもちろんクレーが影響を受けたり、親交が深かったりする作家の作品が多数。
あまり大きいものはないけれど、ピカソなど有名作家のおもしろい作品が展示されていた。
故郷ベルンで観るパウル・クレーの作品は、自然豊かな場所だからこそ表現できるものだと良くわかる。
地下にも展示室があり、その時期に合わせた企画展が開催されていた。
訪れた時はジェンダーにまつわる展示が開催されていて、#MeToo運動など考えさせられる内容だった。
パウル・クレー・センターの隣のレストランもレンゾ・ピアノっぽい軽やかな建築で気持ち良さそうだった。
「パウル・クレー・センター」は、自然に溶け込むおもしろい建築で、場所もスイスの自然豊かな首都ベルンだからこそ成り立つ美術館だと思った。
レンゾ・ピアノらしい建築の作り方で居心地が良い内部空間も良かった。
もちろんパウル・クレーの作品の良さも最大限に感じられるのでオススメの美術館だ。
パウル・クレー・センター – Zentrum Paul Klee
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日
入館料:20CHF
URL : http://www.zpk.org
住所:Monument im Fruchtland 3, 3000 Bern, Switherland
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