ヘルツォーク&ド・ムーロンによる発電所をコンバージョンした美術館「テートモダン」。
ロンドン2日目、「ミレニアム・ブリッジ」を渡ってテムズ川の南側、サウス・バンク地区に渡る。
ロンドンに来たらずっと行きたいと思っていた「テートモダン」へ。
巨大な火力発電所をコンバージョンした美術館「テートモダン」
テートモダンは、1891年から1981年までバンクサイド発電所と言う火力発電所をコンバージョンした美術館。
テート・ブリテンなどのイギリスの国立美術館・テートの一つでもある。
テムズ川沿いのファサードには、火力発電所だったときの名残の煙突がそびえ立っている。
コンペでヘルツォーク&ド・ムーロンが勝利
テート・ブリテン(当時のテート・ギャラリー)のスペース拡充のために発電所だった建物を再利用することが決まり、1994年に安藤忠雄など世界的な建築家を招いてのコンペが行われた。
翌年に当時スイス出身の新進気鋭の建築家ユニットだったヘルツォーク&ド・ムーロンが勝利し、2000年にミレニアムを祝う新美術館としてテートモダンが生まれた。
タービンホールを利用したエントランス
内部に入ると、7階まで吹き抜けの巨大なタービンホールと名前の付けれらているエントランスホールが迎えてくれる。
ガラスボックスのようになっているトップライトから明るい光が入ってきていて明るい。
ビッグシティ・ロンドンの真ん中で、このヴォイドとなっている空間が主たる機能を持たずに存在している様子は、とても贅沢な感じがする。
また、コンバージョンと言う言葉が日本でも一般的になったのは、このテートモダンがあったからなのではないかと思う。
近現代アートのマスターピースが揃う美術館
タービンホールの一角にチケットカウンターがあるのだけど、一部企画展が有料なだけで、基本的にテートモダンの展示は無料で見られる。
テートモダンの新館がオープンした後、「ボイラーハウス」と呼ばれるようになった方の展示室から見て回る。
テートモダンは、近現代のアートの中でも巨匠と言われるクラスのアーティストのマスターピース的な作品が揃っている。
作品数やその種類も膨大で、テートモダンだけで近現代の美術史を網羅するくらいの凄さ。
絵画から彫刻、視覚芸術、パフォーミングアートなど何でもある。
アンディー・ウォーホルやジャクソン・ポロック、サルバドール・ダリなど錚々たる顔ぶれのアーティストの作品を見ることができる。
ジャコメッティなど現代アートの巨大な作品もあり、大きい作品もあるので迫力もすごい。
マルセル・デュシャンのこの作品もある。
確かパリのポンピドゥセンターにもあった気がする。
スィウド・メイレリスのラジカセが積み上げられた作品「バベルの塔」。
各階にはタービンホールに面したスペースがあって、気軽に休憩できる。
ミュージアムショップのある階まで昇ると、テムズ川を通してシティ・オブ・ロンドンを眺めることができる。
「ミレニアム・ブリッジ」とその向こう側に「セント・ポール大聖堂」を眺めることができる。
ここまでアートを鑑賞し続けると流石に疲れるので、カフェで一休み。
上階に行くとガラスボックスからの自然光が差し込む明るい展示室があり、比較的大きな立体作品が展示されていた。
ここまで来るとタービンホールを上から眺めるスペースがあっておもしろい。
タービンホールを見下ろす渡り廊下を渡って、新館「スイッチハウス」に行くことができる。
2016年に完成したテートモダンの新館「スイッチハウス」
テムズ川と反対側には2016年に完成した新館「スイッチハウス」がある。
このスイッチハウスもヘルツォーク&ド・ムーロンの設計で、レンガをモザイク状に並べたファサードが特徴的で既存のテートモダンの外壁を踏襲している。
斜めになった外壁がおもしろい。
螺旋階段の形状も特徴的。
モザイク状のファサードからは木洩れ陽のように柔らかい光が射す。
新館の展示室は比較的大きな彫刻作品が多い気がした。
マリーナ・アブラモヴィッチの問題作と言われているパフォーミングのような定義し難い現代アートも展示。
新館の方が大きく空間を使っている作品が多い気がして、ゆっくりと鑑賞できる気がした。
最上階にはロンドンを一望できる展望台
スイッチハウスの魅力の一つは最上階のロンドンを一望できる展望台だ。
特にボイラーハウス越しに見る再開発の進むシティ・オブ・ロンドンの高層ビル群は、新しいものと古いものが同居するロンドンを象徴しているようでおもしろい。
まだまだ拡張するテートモダン
地下にあった空間も展示室として改装中らしく、テートモダンはまだまだ拡張中のようである。
まだ何も展示されていないけれど、この巨大な空間にはどんなアートが展示されるのかワクワクする。
ミュージアムショップでお土産を買って帰る。
これを観るためにロンドンに来たと言っても過言ではないくらい見たかった「テートモダン」。
実際に見てみるとその建築自体の素晴らしさも良いのだけど、ロンドンに置いての存在感やコンバージョン建築のおもしろさを改めて感じた。
もちろん展示されている現代アート自体もおもしろいので、1日中飽きずに過ごせたのも良かった。
多分何度訪れてもおもしろい美術館なので、またロンドンに来たら訪れたいと思う。
Tate Modern – テートモダン
開館時間:10:00~18:00(金・木曜日~22:00)
電話:+44 20 7887 8888
URL : http://www.tate.org.uk/visit/tate-modern
住所:Bankside, London SE1 9TG UK
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