シアトルにあるフランク・O・ゲーリー設計の建築「ポップカルチャー博物館(MoPOP)」を訪ねる。
シアトル中央図書館を訪れた後に向かったのは、シアトルのシンボル・スペースニードル、ではなくそのふもとにある「ポップカルチャー博物館(MoPOP)」。
ポップカルチャー博物館、通称MoPOPは、グッゲンハイム・ビルバオやルイ・ヴィトン財団美術館、ヴィトラ・デザインミュージアムでお馴染みのフランク・O・ゲーリーがデザインした博物館。
ダウンタウンからバスで20分ほどで到着。
バス停を降りると街路樹に隠れてぐにゃぐにゃした建物が見えて来た。
うねる曲線のステンレススチールのファサード
MoPOPは、うねる曲線のステンレススチールでできた複数のヴォリュームが連なるユニークなファサードを持っている。
ヴォリュームそれぞれ色が異なりカラフルで、少しずつ形状も異なる。
有機的な形状は一目見ただけでゲーリー建築だと言うことがわかると思う。
びっくりしたのは、ウェストレイク・センターとシアトル・センターを往復しているモノレールが建物を貫いていること。
貫いていることは別に施設と全然関係ないけど、こう言うことするのがアメリカっぽいなぁと思ったり…
複雑な脱構築主義の建築
ファサードと同様にぐにゃぐにゃしている内部空間は、脱構築主義(デコンストラクション)全開のゲーリー建築だ。
グッゲンハイム・ビルバオやルイ・ヴィトン財団美術館 と同様に複雑な構成の内部空間であるが、それらよりもカラフルなのでよりぐにゃぐにゃしているようにも感じる。
とにかく派手派手だ!
その鉄板、意味ある!?みたいなやつもあるし(笑)
エリアごとにぐにゃぐにゃの形状や色が異なり、それが連なることで動線を誘発しているのかな。
ところどころに開いた開口部から自然光が入り込み、壁や天井となっているステンレススチールに反射して美しい。
外皮や構造がそのまま剥き出しになっているところもあり、ジャンクな雰囲気がある。
アメリカのポップカルチャーを展示
このMoPOP、マイクロソフトをビル・ゲイツととも共同創業し、大成功したシアトル出身でもあるポール・アレン氏が出資して作られた博物館でもある。
オープン当初はアレン氏の大好きなポップス&ロック・ミュージックの博物館「Experience Music Project(EMPミュージアム)」だった。
今ではポップス&ロック・ミュージックだけでなく、アメリカのポップカルチャー全般を展示している。
ギターだけで作られたタワー「If VI Was IX」は、ダイナミックで圧倒されてしまう。
昨年亡くなったデヴィッド・ボウイなど、ロックスターの肖像画や写真を展示する企画展が行われていた。
他にもアレン氏は大の映画好きと言うこともあり、ジュラシック・パークやゴースト・バスターズ、グレムリンなどの展示もある。
中でもスタートレックは当時使われていたセットなど、様々なコンテンツが用意されていて賑わっていた。
フランク・O・ゲーリーによる「ポップカルチャー博物館(MoPOP)」は、ヨーロッパに行って洗練されたデザインになった建築よりも、アメリカで芽を出したゲーリーらしさがより出ている建築だと思った。
とにかくダイナミックで迫力もあるし、普通に展示内容も楽しいから是非訪れて欲しい博物館だ。
MoPOP (Museum of Pop Culture) – ポップカルチャー博物館
開館時間:10:00~17:00
入場料:$25, $22(65歳以上・学生), $16(5~17 歳), 4歳以下無料
電話:+1 206-770-2700
URL : https://www.mopop.org
住所:325 5th Ave N, Seattle, WA 98109, USA
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