波打つ屋根が特徴的な磯崎新が設計した山口情報芸術センター・通称「YCAM(ワイカム)」を訪ねる。
仕事で学生の時以来の山口へ。
前に来た時は、新山口駅でちょっと昼ご飯を食べたくらいの滞在だった。
今回、羽田からスターフライヤーで山口宇部空港へ、そこからローカル線で防府市に。
一泊して仕事して、昼頃にはフリーになったので山口市内の建築を回ってみることにした。
波打つ屋根が特徴的な「YCAM(ワイカム)」
最初に訪れたのは磯崎新氏が設計し、2003年にオープンした山口情報芸術センター・通称「YCAM(ワイカム)」だ。
ギャラリーや劇場、図書館などが一体となったこの建築は、連続する波打つ屋根が特徴的。
早速中に入ってみると、市民がいっぱいで実際にちゃんと使われているようだった。
高い天井とトップライトからの光で開放的
最初に入った図書館は、天井が高くカーブを描きながらところどころにトップライトがある。
単純な構成の大きな建築でありながら、間延びせず適度な密度を持った空間だ。
トップライトと細く長い中庭から注ぐ自然光が空間を包み込み、開放的な雰囲気を作り出している。
空間を仕切るように配置された中庭は温室のようで、こちら側が外部のようにも感じてしまう。
ホワイエのような大きなホールも図書館のように明るく、公園にいるような感じ。
近所のサラリーマンがコーヒーを飲んだり、高校生が勉強をしていたりと色々な人が気ままに過ごすには居心地が良さそうだ。
2層になった場所の1階は、天井高が抑えられ落ち着いた空間に。
中庭沿いに設置された席からは、中庭を通して図書館が見えるが、違う建物をみているようでおもしろい。
作品を制作・発表する場所としての公共施設
YCAM(ワイカム)のおもしろいところは、メディアアートや現代美術を鑑賞するだけでなく、ここが制作したり発表する場所になっているところだろう。
3Dプリンタを使える「BIT THINGS」というクリエイティブスペースや創作・学習室があり、少人数の研究・制作グループなどが入居していて、革新的な施設であることが伺える。
西日本には磯崎新氏の建築が数多くあるが、その中でも非常に評価が高いこの山口情報芸術センター・通称「YCAM(ワイカム)」は、磯崎新氏らしいダイナミックな空間でありながらトップライトや中庭、波打つ屋根など、キーになる要素が空間を引き立てる気持ちがいい建築だと思った。
それに、市民が積極的に利用している様子や最先端の技術を使った制作空間など公共施設としてもおもしろい場所でもある。
実際に行ってみると、その良さを感じることができる良い空間だった。
YCAM(ワイカム) – 山口情報芸術センター
開館時間:10:00~20:00
休館日 : 火曜日
電話 : 083-901-2222
URL : http://www.ycam.jp
住所:山口県山口市中園町2 中園町7-7
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