スイスのクール地方に外観と繊細さが特徴的なピーター・ズントー設計の「聖ベネディクト教会」を訪ねる。
ヴァルスの温泉施設の中を観られなかった無念さを抱え(笑)、次はそこからまた電車に揺られてサンヴィッツ駅に着いた。
そして、もう一つピーター・ズントーの代表作「聖ベネディクト教会」を観に来た。
まさにアルプスと言ったような綺麗な景色が続く中を歩く。
ひたすら坂道だから本当にツラい!
土着的な佇まいが美しい「聖ベネディクト教会」
駅から登山のように山道のような坂道を汗だくになって歩いて40分…やっとのことで着いた。
山の斜面に然うように建っているい「聖ベネディクト教会」はこの地域で取れる木材を使って作られている。
周囲の家々を見下ろすように土着的な佇まいをして美しい風景と一体化している。
アルプスの山や谷間を背景にした美しい建築だ。
木でできたファサードは懐かしさを感じさせる。
ディテールはミニマルでいかにもピーター・ズントーらしい建築だ。
木が鱗のように貼ってある外壁が経年変化で独特な雰囲気になっている。
神聖さと温もりを感じる内部空間
楕円形の平面をした内部空間は、木でできていることと、全面に設置されたハイサイドライトから光が入って来て温かさを感じさせてくれる。
天助の木は楕円に沿うように貼られていておもしろい。
柱も梁も同じ太さで作られていて部材同士のヒエラルキーがないようにデザインされている。
祭壇も木で作られていて、十字架はミニマルな大きさとデザイン。
ヴァルスの温泉施設は観られなくて残念だったけど、「聖ベネディクト教会」は40分かけて歩いて観に行ったかいがある建築だった。
帰りは湧き水を飲んで少し休憩したこともあり、下り坂だったので15分で駅まで行けた。
ヴァルスの温泉施設は矩形で「聖ベネディクト教会」は楕円形、形は違えど純粋に近い幾何学でありながらその素材の選び方、使い方はやはり懐かしさや温かさを感じさせてくれる建築だった。
それを際立たせているのは、ピーター・ズントーによる徹底的なディテールのコントロールで唯一無二な建築になっているように思った。
Saint Benedict Chapel
聖ベネディクト教会
住所 : Vitg 221, 7174, Switzerland
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