まるで建築の見本市!スイスの家具メーカー・ヴィトラの本社は世界に名立たる建築家の作品が立ち並ぶ。
ヴィトラ・キャンパスにはヴィトラ・デザインミュージアムやヴィトラ・ハウスの他にも世界に名立たる建築家が設計した建築が幾つもある。
ヴィトラ・デザインミュージアムやヴィトラ・ハウスなどゲートの外にあって自由に観られる(ミュージアムは入場料が必要)建築もあるけれど、ゲートの中などは見学ツアーでないと観られないので、ミュージアムでツアーに申し込み参加した。
フランク・O・ゲーリー設計の工場とゲートハウス・ギャラリー
ゲートを入ってすぐの工場の建物はフランク・O・ゲーリーの設計。
ゲートの手前の建物は守衛室やギャラリーになっていてこれもゲーリーの設計。
訪れたときには香港の学生達のデモの中でのバリケードなどのデザインについての展示をしていて興味深かった。
バックミンスター・フラーのデザイン、通称「フラー・ドーム」
アルミニウム管を使った組み立てと解体が簡単にできる仮設的なテントはバックミンスター・フラーのデザイン。
訪れた日はイベントの設営をしていて実際に使われているフラーのドームを見ると少し感動。
アルヴァロ・シザ設計の工場と渡り廊下の屋根
建物自体は赤いレンガで覆われたファサードの建築だが、見所はこの必要に応じて上下する渡り廊下の屋根だ。
最も「必要に応じて」というのがわからないのだが…
ザハ・ハディド設計の消防ステーション
先日急逝したザハ・ハディド設計の消防ステーション。
かつてアンビルドの女王と呼ばれたザハ・ハディドの実現した建築としては最初の作品。
当時は工場で火災が発生したときのための消防ステーションだったが、現在はイベントスペースとして使われている。
壁が微妙に傾いていて感覚が狂う。
しかし、どこか秩序がある空間体験は元々ベイルートの大学で数学を学んでいた故の設計からくるものだろう。
日本のSANAA設計の工場
プリツカー賞など数々の受賞歴を誇る妹島和世と西沢立衛によるユニット「SANAA」による工場の建物は、SANAAらしい少し崩した円形の平面をしている。
波板のアクリルガラスのパネルで覆われたファサードが、カーテンのように柔らかな印象にしているのが特徴的だ。
隣の建物との間の渡り廊下の屋根もペンで描いたような不定形な形がいかにもSANAAらしい。
安藤忠雄設計のヴィトラ・セミナー・ハウス
このヴィトラ・キャンパスの緑に溶け込むように建っているのは安藤忠雄設計のセミナー・ハウス。
建築ヴォリュームを周囲と馴染ませるために半分地下に埋めてある。
地下1階に大きな吹き抜けを要して、外部であるテラスや地上階と繋がっている。
建具やサッシなども安藤忠雄事務所らしくミニマルなデザインが実現されていた。
この建築見学ツアーは基本はドイツ語で1日約4回、14時に英語の回があるのだけれど、14時まで待てないのでドイツ語ツアーに参加した。
ドイツ語は全くわからないのだけれど、現代建築の良さが一般の人には伝わらない日本とは違い、みんな必ずしも建築関係の人ではないようだが興味津々に案内を聞いていたところはドイツやスイスの人達のデザインへの理解度の高さを表すようだった。
反面、フランク・O・ゲーリーやザハ・ハディド、アルバロ・シザなど世界的な巨匠建築家と並んで、SANAAや安藤忠雄といった日本の建築家の作品があることは誇らしい気がした。
Vitra Campus
ヴィトラ・キャンパス
URL : https://www.vitra.com/en-us/campus/
住所 : Charles-Eames-Strase 2, 79576 Weil am Rhein
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