ル・コルビュジエ設計の「ラ・ロッシュ邸」は小さなギャラリーのような室内風景がおもしろい!
パリを出て今はベルギー・ブリュッセルにいるけど、パリでル・コルビュジエの「サヴォア邸」を観た後は、パリ市内にあるル・コルビュジエ設計の住宅の一つ「ラ・ロッシュ邸」に行って来た。
メトロ9号線Jasmin駅を出て徒歩10分くらいだけど、なんだかんだ20分くらい迷った末に何とか到着。
ル・コルビュジエの「白の時代」の幕開けの建築
手前は現在ル・コルビュジエ財団のオフィスとして使われているル・コルビュジエの兄の「アルベール・ジャンヌレ邸」で、奥が美術収集家の「ラ・ロッシュ邸」。
ル・コルビュジエの「白の時代’の始まりの建築と言われていて、近代建築五原則を備えた住宅だ。
多分、作品集とかでは真っ白だった気がするけど、今はクリーム色になってた。
「サヴォア邸」と同じようにファサードには水平連続窓が連なっている。
アールがかった外壁の下は「サヴォア邸」程では全然ないけれど小さくピロティ。
立体的に視点が交錯する空間
エントランスを入ると大きな3層吹き抜けの空間となっていて、ホワイエといった感じだろうか。
吹き抜けの両脇の空間は吹き抜けを通してもう一方の空間が垣間見えて面白い。
そして、こういう空間の使い方はどことなく東京でも建築家が設計した住宅で見たことがある使い方だし、雑誌などでも「こういう空間みたことある!」と思うような既視感がある。
階段や通路という移動空間に結構な面積を割いているが、退屈な感じがしない。
行き止まりになるような場所に必ず開口が設けられていて「建築的プロムナード」が作られている気がする。
反対側から見る。
吹き抜け自体が外部空間のように見立てられ、吹き抜けを通して反対側が他の建物のように見える。
移動と風景が興味深いギャラリー
さっきの吹き抜け回りの空間も面白いけれど、この建築のハイライトはこのギャラリースペースだろうか。
しばしばル・コルビュジエの作品集等でも見かける空間だ。
アールがかった壁の場所でこの写真の左側にはスロープが設置してある。
中央のテーブルは作り付けでル・コルビュジエのデザイン。
スロープがアールの壁に沿って設置してあるからより劇的に見える。
スロープを登り切るとさっきの吹き抜けのスペースに出る。
ここも奥にあたる空間に窓が設置してある。
スロープ側を振り返る。
トップライトもあって明るい。
寝室の窓からも他の箇所の水平連続窓が見えるのが楽しい。
1階部分のお手伝いさん用の部屋だろうか、色が塗られている。
今でもこういう色の使い方をしばしば見かける気がする。
キッチンはかなり奥にあるけれど、トップライトのお陰で明るい。
このリフトで作った食事を運んだりしてたんだね。
「ラ・ロッシュ邸」はしっかりと管理がしてあるようで家具も計画的に配置している気がした。
また、この住宅を見ていて面白いのは新鮮さよりも既視感があることだ。
やはり色々な建築家がこの時代のコルビュジエを教科書として踏襲しているからではないかと思った。
パリに来たら「サヴォア邸」だけではなく、この「ラ・ロッシュ邸」も必見だ。
le Corbusier – Maison la Roche
ル・コルビジエ財団 – ラ・ロッシュ邸
開館時間 : 10:00~18:00(月曜13:00~)
定休日 : 日曜日
URL : http://fondationlecorbusier.fr
住所 : 8-10 Square du Dr Blanche, 75016 Paris, France
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