八戸などの地方都市がLRT(ライトレール)やBRT(バス高速輸送システム)を導入すべき5つの理由。
Photo by Yellow.Cat. ビルバオののLRT。
写真はビルバオのLRT(トラム)で去年訪れたときに川沿いを走っているのを見て、いいなぁと思ってた。
LRT(トラム)は簡単に言うと路面電車だが、古くからあるため「枯れた技術」と言われるが、逆に新規的な技術に多いトラブルがもう既に出尽くしていて十分に実現可能なものとして注目されている。
BRT(バス高速輸送システム)も同じようにバスと専用道路を設けるだけなので現在ある技術で十分だ。
日本の地方都市には幾つかもともと路面電車が走っているが、富山市などは現在かなり力を入れて取り組んでいるし、BRTは震災後に気仙沼-大船渡間を走っている。
もちろん前のエントリーのように集まって住むことが前提だが、地方都市が何故LRT(トラム)やBRT(バス高速輸送システム)を取り入れるべきなのだろうか。
1. 高齢化社会化と若者の車離れで車所持率の低下
日本は高齢化社会にどんどん進んでいるが、地方都市はコンパクトとは言えないほどに広がっていてお年寄りたちはバスなどでの移動も大変だ。
それによって不採算路線のバスが多数あり、住宅地が離れた場所に広がっていてそれを地域の脚としてカバーしなければいけない。
さらに若者自体が大都市圏に流出したこともあるし、もちろん惰性で買ったような車を買う人もいるが、全体として車離れも進んでいくから若者にとっても住み難い都市になってきている。
だからやはり集まって住む必要があるし、その幾つか集まって住んだ場所どうしやターミナル駅、病院などの重要施設をLRTやBRTで繋ぐ必要がある。
現状のバスや自動車よりも定時運行が可能だし、遥かに安全だろう。
2. 街の活性化と消費喚起に有効
集まって住むこと自体によっての効果もあるが、LRTやBRTによって定時運行が可能ということで異なる特性を持った街どうしを行き来しやすくなるから、人が移動する頻度や数も増えるに違いない。
八戸市であれば八戸駅-三日町-陸奥湊やその間に主要な病院や公共施設などを入れるルートだろうか。
単純なことだが、車社会から脱却して仕事帰りやサークルの帰りに気軽に飲みに行けるのは重要だ。
参照 : Wikipedia. ブラジル・クリチバにある世界初のBRTシステム。
3. 増加する外国人観光客に対応しやすい
ポルトガルのポルトに行ったときにバスに乗る必要があってバスに乗ったが中々乗り方や路線が分からず苦労したように、現状の路線バスは外国人がすぐに理解し難い。
LRTやBRTはその路線が専用レールや専用道路で可視化されているので認識し易いこともあるし、限定された路線を他言語化するだけでよいのでコストが少なくて済む。
4. 人にも環境にもやさしい
専用レールや専用道路なので事故が起きにくいこともあるし、「枯れた技術」であるからエコ化がし易い。
渋滞でのアイドリングの排気ガスも減る。
5. 低コストで実現・維持できる
地下鉄や新規で普通の鉄道を用意するより、現状の大きめな道路などに設置するから遥かに低コストで実現可能だし、廃線になった路線などをそのまま転用したり、LRTは運用中の鉄道路線にも乗り入れできる。
維持も現在は電子化されたシステムを用意できるし、LRTはゆりかもめ のように無人化が簡単だし、BRTも自走車にして無人運行も将来は可能だから人件費も低コストで済む。
もちろんコンパクトシティになって、普通のバスや鉄道を見直し不採算路線を削減するなどすれば総合的にも財政難に苦しむ地方自治体にとってコスト面でおおきなメリットがある。
その他. 北国特有の問題を解消
雪が積もったり路面が凍結したりする北国では、除雪や融雪に多大なコストと時間がかかるため冬場にしばしば交通渋滞が発生する。
通常の道路を除雪しても車やバスは渋滞してしまうが、LRTがあることでLRTの路線を優先的に除雪することで、最低限の交通手段が確保できる。
またイニシャルコストがかけられるのであればレール上に融雪のシステムを取り入れることも可能だろう。
個人的にはLRTってちょっとかっこいいなっていう(笑)好みっていうのもあるのだけれど、あると市民にとっても行政にとってももちろん観光客にとってもメリットが多いと思う。
前回のレンタサイクルは個別交通手段として、合わせて公共交通手段にLRTやBRTが採用されると街の在り方が変わってくる。
いずれにしても何も変わらなければ、地方都市の人口は減っていくし地域経済も縮小していく。
交通システムだけ変えればよい訳ではないが、10年20年またはもっと先のことを考えて大胆に変えていってはどうだろう。
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