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2019.11.23

アウシュヴィッツ第二強制収容所にあたる「ビルケナウ」でナチス・ドイツのホロコーストの悲惨さを知る。

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ポーランドの古都クラクフからバスで「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」へワン・デイ・トリップ。

午前中に基幹収容所で第一強制収容所である「アウシュヴィッツ強制収容所」の見学ツアーに参加して、ホロコーストの現場を観て回った。

ナチス・ドイツによるホロコーストの現場である「アウシュヴィッツ強制収容所」へダークツーリズム。

約2時間のツアー終了後、ちょっと疲れたのでランチを食べてからシャトルバスでアウシュヴィッツ第二強制収容所にあたる「ビルケナウ」に向かった。

 

アウシュヴィッツ強制収容所の象徴的なスポット「ビルケナウ」

1940年から稼働したアウシュヴィッツ強制収容所の第一強制収容所が手狭になったため、1941年10月に絶滅収容所とも言われる「第二強制収容所ビルケナウ」が開設された。

この「ビルケナウ」は東京ドーム約37個分と広大で、1944年のピーク時には9万人が収容されていて、そのほとんどがユダヤ人だった。

「死の門」と言われる監視塔をくぐり抜けて、収容所の敷地内まで伸びる線路はこのビルケナウだけでなくアウシュビッツ強制収容所全体の象徴的なスポット。

収容される人数が莫大になり、それとともに殺害される人数も増えていく。

第二次世界大戦が始まるとアウシュビッツ強制収容所の役割は人種差別による隔離ではなく、ユダヤ人や少数民族の「絶滅」になっていった。

列車というよりただの貨車には何十人もの人が詰め込まれ、ここへ「死ぬためだけ」に運び込まれた。

到着したらその場で労働できるかどうか選別されて、働けない者は容赦無くガス室で殺されたそうだ…

いくつかの映画でも象徴的に描かれていて、ここに到着したら生きては帰れない、絶望的なことだったに違いない。

 

強制収容所の劣悪な環境を今に伝えるバラック

ビルケナウにある建物は、煉瓦造りの建物が多かった第一強制収容所と違って簡素な造りの「バラック」と言われる掘建て小屋のような建物が多くて、当時は全部で300棟程の建物があったらしい。

ビルケナウでは、家族向けや労働者向け、女性向けなどの監房に別れていて、復元されている建物もあって、実際に中に入って観ることができる。

ビルケナウがある場所は、夏は35度以上、冬はマイナス20度にもなる厳しい環境なんだけど、それに耐えうるような建物では全くない。

最初の選別で殺されなかったとしても過酷過ぎる環境は地獄なのは容易に想像できるし、餓死したり、凍死したりする人も多かったらしく絶望しかない。

粗末な造りの建物ばかなことと、終戦時にロシア軍によって破壊されたこともあって、現存している建物は少ないけれど、見渡す限りバラックが立ち並ぶ風景は収容されていた人達の多さを表していて、途方に暮れる。

基礎が残る場所は全てバラックだったことがわかる。

 

ホロコーストの現場であるガス室

監視塔の反対側、線路の奥側には破壊された建物がいくつかあるけれども、これらは多くのユダヤ人たちを殺戮したホロコーストの現場になったガス室。

戦況が悪くなったときに証拠隠滅のために破壊されて原型をとどめていない。

 

後世に伝える鎮魂の石碑

線路の先、ガス室跡の中央には犠牲になった150万人を祀った鎮魂のための石碑が建っている。

ここを訪れた誰もがここで黙祷して立ち去る。

 

第一強制収容所である「アウシュヴィッツ強制収容所」では遺された遺品の数々に絶句させられたが、「ビルケナウ」ではさらに多くの人の気配が感じられた。

ナチス・ドイツによるホロコーストで殺戮された150万とも言われる人たちには、家族や友人、恋人がいたはずだし、一人一人を知る人もろとも殺されたことには何も言葉が出ないし、自分が持った感情も自分でよく分からない…

それでもやっぱり知ることは重要だし、それについて考え続けることはもっと重要だと思った。

オカンと一緒に訪れたのだけど、第一強制収容所の見学ツアー自体も長いし、ビルケナウはかなり広大だからオカンには体力的にキツかったらしく、もともとヘビーな内容なこともあってあまり力まずに見学することがオススメ。

Państwowe Muzeum Auschwitz-Birkenau II – Judenrampe – アウシュヴィッツ2号・ビルケナウ博物館

開館時間:7:30~17:00
URL : http://www.auschwitz.org/
住所:Więźniów Oświęcimia 20, 32-600 Oświęcim, Poland

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