スティーブン・ホールが手がけた「ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)」に行ってきた。
ヘルシンキに到着して岩山をくり抜いて作られた「テンペリアウキオ教会」を訪れた後は、ヘルシンキの中心部に向かう。
アルヴァ・アアルトの建築やインテリア目当てでフィンランド来たけれども、ほとんどは二日目以降に予約していたので、初日はアアルト以外の建築を回った。
スティーブン・ホールが手がけた「ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)」
閉館1時間前に到着したのは「ヘルシンキ現代美術館」。
1992年にスティーヴン・ホールがコンペに勝利して、コンペ時のタイトルで視神経の交差部分を表す生物学用語「キアズマ」が市民の交流や文化、教育の交差点になるようにそのまま愛称として親しまれている。
アルファベットの「D」のような断面が大きくない敷地を有効に使っていて、緩やかにカーブした平面がヘルシンキの目ぬき通りであるマンネルヘイム通りから裏側の公園に続いている。
裏側は外観工事中だった…
氷河や雪渓の割れ目「クレバス」のような空間
閉館時間が迫っているので早速中へ入る。
入場料は15€とフィンランドの物価の割にはリーズナブル。
右を向くとクローク。
左側にはキアズマカフェがある。
このエントランスホールが、どこか氷河や雪渓の割れ目「クレバス」のような感じがして印象的な空間だった。
少し荒さのある白い壁が氷河っぽいし、スロープによる動線が展示空間へ滑るように導いている気がした。
奥には綺麗な螺旋階段もあるが、どれも氷の彫刻のよう。
滑らかに連続する展示空間
最上階から降りるように展示を観ることにした。
最上階の展示空間は外径のカーブを生かした天井が印象的だった。
反対側に出ると大きな開口部があって、公園越しに向かいのヘルシンキミュージックセンターやヘルシンキ中央図書館・オーディが見える。
大小様々な展示空間同士はスロープなどで緩やかに繋がっている気がした。
ところどころに大きな開口部があって、白い壁に自然光が反射して明るい美術館という印象を持った。
展示しているのは基本的に現代アートで、主に企画展の方が重要視されているようだった。
外形の「D」の形のカーブが内部空間では柔らかい印象を与える。
工事中から懸念されていた敷地の狭さは、縦の動線を工夫することである程度克服されているように思う。
巨大化する近年の現代アートはないけれど、適度なスケール感の作品があっておもしろい。
スティーブン・ホールが手がけた「ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)」は、特に「クレバス」のようなエントランスホールがすごく印象的だった。
展示空間も滑らかにつながっているようにも思えて、大きくはないけれどアートを気軽に楽しめる美術館だと思う。
Nykytaiteen museo Kiasma – ヘルシンキ現代美術館・キアズマ
開館時間:10:00~20:00(土曜日:~18:00/日曜日:~17:00)
休館日:月曜日
入館料:15€
URL : https://kiasma.fi
住所:Mannerheiminaukio 2, 00100 Helsinki, Finland
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