バラバラ感がおもしろい。ミラノにあるレム・コールハース率いるOMA設計の「プラダ財団美術館」
約1年ぶりにイタリア・ミラノの地に降り立った。
ミラノ・サローネは明日からということで、レム・コールハース率いるOMA設計の「プラダ財団美術館」を訪れた。
1910年代に建てられた蒸溜所をコンバージョン
ミラノ南部のラルゴ・イザルコにあり、1910年代に建てられた蒸溜所をコンバージョンして、既存の建物に新しく建てた建築を合わせ全体を構成している。
それぞれの棟に名前が付いていて、ところどころ現在も増改築中で今後も成長していくようだ。
パッチワークのようなバラバラ感
もともと蒸溜所だった建物とOMAによるモダンな建物が混在し、素材や色などパッチワークのようで独特のバラバラ感がある。
背後の建築中なのはTorreという高い棟、完成したらひときわ目立つだろう。
バラバラなのにどこか調和があるところは流石レム・コールハースと言ったところ。
鏡面貼りになっている棟、シネマが周りの建物や人たちのアクティビティを映し出す。
石造りの蒸溜所もあれば、鉄やアルミ、ガラスなど近代的な素材、金色に塗られた棟などその様子は多彩だ。
古いもの、新しいものが混在している様はミラノの街を再現しているようにも思う。
色的にはかなり目立つ金色の棟の名前はホーンテッドハウス、謎だ(笑)。
金色の質感はなかなかおもしろい。
外観だけでなく内装もおもしろい
周囲の棟の外観がそのまま続く屋外展示空間はヴォールト天井にアーチ型開口部など、ミラノにある混ざった印象をダイレクトに作っている。
敷地内のバール「BAR LUCE」は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「グランド・ブタペストホテル」の映画監督のウェス・アンダーソンの世界観が表現されていておしゃれ。
コンバージョンされた内装も簡素でありながら随所に工夫が見られた。
OMAらしい素材使い
階段の手すり部分に貼られたネットは工事中などに使われるものを使っている。
パッチワーク的なところは常に更新される都市の様子をダイナミックに表しているように感じられる。
樹脂を使った壁などの素材も高価ではないものを的確に使うことで独特な表情を作っている。
2015年にオープンしたばかりで新しいこの美術館はまだまだ成長中。
今回は到着したのが遅くて有料の展示室には入ることができなかったのでまた来年。
プラダ財団美術館 – Fondazione Prada
開館時間 : 10:00~20:00
休館日 : 火曜日
URL : http://fondazioneprada.org
住所 : Largo Isarco, 2, 20139 Milano, Italy
行き方 : メトロM3線「Lodi T.i.b.b.」駅から徒歩15分
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