ザハ・ハディドが設計した「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」に行って来た!
今回香港に行って来たのはジェットスターが安かったからというのもあるけれど、2013年に建ったザハ・ハディドの建築があるので観てみたいということも理由の1つだ。
国立競技場問題で一般の人でも知ることになったザハ・ハディドは今年の3月31日に亡くなった。
もはや巨匠クラスになったザハ・ハディドの設計の「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」は、日本から最も気軽に見に行けるザハ建築だろう。
国立競技場が実現していれば東京で見られることになっていたけど…
ザハ建築以外も心地よい雰囲気の香港理工大学
香港理工大学はMTRの紅磡(ホンハム)駅の目の前にあって、キャンパス自体が建物と緑のバランスによって心地よい雰囲気を持っていた。
ピロティに風が抜けて街中とは温度が異なるように感じた。
不思議な感じの形・ファサードのジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー
グリッド状に配置されたキャンパスを抜けて行くと目に飛び込んでくる超奇抜な建築が香港理工大学のジョッキー・クラブ・イノベーション・タワーだ。
雲に解けて行くような真っ白な建築は、その外形もファサードも不思議な感じがする。
エントランスに行くと建築全体がうねるような形に見えてくる。
外部に開かれた施設で内部も見学可能
内部に入ると外形通り不思議な感じ。
この日はデザインや建築の学科の展示会をしていた。
どこにも同じ場所がない多様性を持った内部空間
エスカレーターで2階へ昇り、4層吹き抜けの空間から上を見る。
とにかく色々なラインが見えてくる内観だ。
2階より上は一旦エレベーターで最上階に行ってから降りてくることにした。
壁側から緩やかにトップライトに変化した開口部がある吹き抜けの空間は明るくて心地よい。
同じ階でも階段やスロープがあって少しずつ高さが違う。
シームレスな照明が通路を伝っている。
この明るい吹き抜けの階段はどこか既視感があると思っていたけど、雰囲気としてはニューヨークにあるフランク・ロイド・ライト設計のグッゲンハイム美術館と雰囲気が似ている気がした。
最もスパイラル上に階段が配置され真ん中が吹き抜けになっているだけのグッゲンハイム美術館よりもずっと複雑な空間なんだけど。
水平な床はあっても壁は斜めだし、直角に交わるところがどこにもない。
どこを見渡してもどことに似ていない空間でおもしろい。
他の階を見られるところに来るとその複雑さが垣間見られる。
建築の中を歩いていると、森の中から急に開けた場所に出たような人口ではなく自然にも近い感覚になった。
いかにもザハ建築らしい曲線がところどころに施されている。
その多様性からか感じられるのは、作った人達は大変だっただろうな(笑)、と。
普段は教室として使われている場所も一面ガラスで明るく、それぞれ異なる形になっている。
この日は各教室は展示スペースになっていけど、普段ちゃんと使われていると思うと不思議だ。
使いづらいとは思うけど、このキャンパスでクリエイティブなことを学べると思うとすごくいいなぁと思った。
そして、漢字のタイポグラフィがかっこ良かった。
香港理工大学/ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー
住所 : The Hong Kong Polytechnic University, Hung Hom, Kowloon, 香港
今回、4月に行ったヴィトラ以来のザハ建築だったけど、やはりスゴく良かった。
その建築のフォルムからフォルマリスト的でアーティスト的なだけかと言う人も多いと思うが、建築としてのダイナミックさや表現したい空間はモダニズムとも連続していておもしろい。
ザハ・ハディドが亡くなったこと、新国立競技場が実現しなかったことはスゴく残念だ。
そのザハ建築を香港に行けば見られるので是非行って、体験してみて欲しい。
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