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「オリンピック・スタジアム」などカンボジア近代建築の父ヴァン・モリヴァンの作品を訪ねる。

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キリングフィールド」がプノンペンの中心部から遠いこともあって、市内に帰ってくることには暗くなってて、1日目は「キリングフィールド」を観ただけで終了。

2日目は、カンボジア近代建築の父ヴァン・モリヴァンの建築作品をいくつか回ることにした。

a+u(エー・アンド・ユー)2017年12月号/ヴァン・モリヴァン カンボジアの建築家

ちょうど旅の出発前に雑誌A+Uでヴァン・モリヴァンが特集されていたのでいいタイミングだと思っていた。

1日目のトゥクトゥクの運転手と交渉済みなので、また合流して出発!

 

クメール・モダニズムの建築家

ヴァン・モリヴァンは1926年に生まれ、今年の9月28日に91歳で亡くなった。

カンボジアで最も著名な建築家であり、巨匠ル・コルビュジエの影響を受け、カンボジアの中でクメール文化とモダニズムを融合しアジアの中でも新しい可能性を切り開いた。

欧米のモダニズムや日本の建築以外、特にジェフリー・バワを除いてアジアはあまり注目されない傾向があるが、アンコール遺跡の保存と修復とカンボジアの風土に合わせたモダニズム建築で高い評価を得ている。

 

プノンペンのシンボル「独立記念塔」

1962年に建てられたアンコール遺跡群のような様相の「独立記念塔」はプノンペンのシンボル。

伝統的な装飾を施しながらも、ル・コルビュジエのモデュロールを応用したプロポーション。

独立記念塔

 

シンメトリーな扇型の「チャトモック国際会議場」

プノンペンの4つの川が交わるチャトモックと言われる場所にあるのが「チャトモック国際会議場」。

平面的にはシンメトリーな扇型で、ステージと客席、テラスが同心円状に配置されている。

向かい側にある王宮をメタファーに使いながらも、キャンチレバーのテラスや連続する構造などモダニックな手法が使われていておもしろい。

Chaktomuk Conference Hall – チャトモック国際会議場

住所:Preah Sisovath, Phnom Penh, Cambodia

 

力強い造形が魅力的な「オリンピック・スタジアム」

最後に訪れたのは「オリンピック・スタジアム」。

もちろんオリンピックが開かれたことなどないのだが、オリンピックが名称に使われている。

コンクリートの客席が迫り出してきていて、ダイナミックなファサードを作り出していた。

連続する斜めに走る柱がダイナミック。

その下はピロティとして活用され、地上レベルには水盤がありスポーツのためだけの空間というより、居心地の良いオープンあスペースとなっている。

 

巨大な柱に支えられた内部空間

ちょうどムエタイの試合の準備中のアリーナは、アンコール・ワットがメタファーの巨大な柱に支えられた大空間。

巨大な柱は屋根のみを支えていて、客席部分とは独立されている。

空調などはないが、光や風が抜けるように設計されていて、陽射しが強く雨の多いカンボジアの気候風土に対応している。

さらに屋根と客席の間の壁はアルミのルーバーで覆われている。

イベントが開催されていないときは、市民が自由に出入りできるようになっている。

ボルダリングも自由にやっていいのかも。

 

緩やかにつながる屋外競技場

アリーナの屋根がそのまま伸びて屋外競技場の屋根にもなっていて、動線も含めて緩やかにつながっている。

すり鉢状になった屋外競技場もアンコール遺跡群の構成要素の一つである丘のメタファーでもある。

Olympic Stadium – オリンピック・スタジアム

URL : http://www.noccambodia.org/
住所:Charles de Gaulle Boulevard, Phnom Penh 12253 Cambodia

 

今回の旅の出発の直前に知ったヴァン・モリヴァンだったが、モダニズムとクメール文化を融合した感じがなかなかおもしろかった。

特に「オリンピック・スタジアム」は、モダニズムとアンコール遺跡群の抽象的なメタファーを使い、ダイナミックな建築になっていた。

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